事業内容BUSINESS

⽯垣カルテ

全国の城の⽯垣を測ることで、
⽂化財を護り続けたい。

「⽯垣カルテ」は、当社の⼤きな強みであるとともに、ビジネスの柱の⼀つにもなっている事業です。当社がこれまで培ってきた空中写真測量、レーザ計測、ドローン撮影などの技術と経験を最⼤限に活かし、⽯垣を護り、維持‧管理していきます。

⽯垣カルテとは

歴史的建造物の中でも注視されているのが、各地に点在する城。なかでも、⽯垣は、それぞれの時代の叡智を結集させた⼟⽊建造物として、世界的な⽂化遺産の価値が認められています。ところが、近年、地震や豪⾬などの⾃然災害で崩落する⽯垣も少なくありません。⽯垣には、造られた時代の資料や⽂献もほとんどなく、改めて構築‧保存するためにも、細かな計測が必要不可⽋となっています。
そこで、当社では、「⽯垣カルテ」を作成し、⼯法、⽯の特徴、意匠、刻印などを写真やレーザで計測し、⽯垣のすべての情報をデータ化しています。「⽯垣カルテ」の基礎資料をもとに、定期的に調査‧計測していくことで、⽂化的な価値を保護することはもちろん、修復‧修繕にも役⽴てていくことができます。

⽯垣カルテの構成

基本項⽬
⽯垣の特徴や状況に応じて管理する項⽬を決定します。作成に当たっては、既存資料や修復履歴なども整理して、城跡全体を統⼀した形で管理することで保守性を⾼めます。
位置図
⽯垣の位置が城跡のどこにあたるかを⽰す平⾯図です。
⽴⾯図
⽯垣に正対した図⾯です。古くは線図の図⾯で管理されていましたが、近年は、オルソ写真画像やレーザ計測の陰影図などが使⽤されます。
⽴⾯図上に現地調査で得られた損壊や孕みの状況を整理して記⼊することで可視化を図ります。
現況写真
調査時の現況写真を記録します。損壊の⾒られる個所などもわかりやすく撮影します。
追加調査資料
現場写真や⽯材調査資料、被災状況図、測量図、点検調査結果などを追加資料として随時特⽯することで、時系列にそった系統的管理が可能になり、より多⾯的に⽯垣の状況を捉えることができます。

⽯垣カルテの写真計測

オルソ写真画像

現地の地形や状況に合わせて、UAV撮影 ポール撮影などのさまざまな計測⼿法を⽤い、⾼精度なオルソ画像を作成します。正射投影されたオルソ画像は、レンズ特有のゆがみ、ズレ、傾きなどが補正され、対象物の⼤きさや位置が正しい形で表⽰されます。⾼い精度が特徴なので、⽯垣の正確な状態を写真画像で記録できます。当社では、⽴⾯図としてよく利⽤しています。
※オルソ画像は、写真から作成することも可能ですが、精度を上げるには標定点測量が必要となります。

UAV撮影は、ドローンやラジコンヘリなどの無⼈操縦機器を使⽤し最適な画像計測を⾏います。

ポール撮影は、ポールの先端に⼀眼レフを装着し、遠隔操作で撮影を⾏います。最⻑6mの⾼さまで可能。

⽯垣カルテのレーザ計測

⽯垣の特徴と⽬的を理解し、状況に応じた⼿法でスピーディに計測します。⾜場を組んだ⼤規模計測、昇降機を使った計測、3Dスキャナーなど、⾮接触、短時間で⼤量の3次元データを取得していきます。

⽯垣調査のレーザ計測によるメリット

  • 間詰の状況、⽮⽳などの詳細な形状、位置の取得
  • 陰影図、平⾯図などさまざまな図⾯データの作成
  • 任意個所の断⾯図作成
  • 精密なデジタルアーカイブ記録
  • 安全で短時間な現場作業


⼤規模な計測(⾜場)


3D PDFとして使⽤


専⽤昇降機による計測(6mまで)


3Dスキャナ


3次元点群データ


専⽤フリービュワーで運⽤

⽯垣カルテの各種解析図

陰影図

⽯垣を光と影の状態で表現しています。計測時の⾓度調整を⾏うことで、⽯材間の間詰状態、表⾯の微⼩な⽋損や質感も忠実に再現します。

標⾼段彩図

標⾼値に応じて⾊変化で表⽰。勾配が⼀定した⽯垣であればグラデーションが横⼀線になりますが孕みや倒れ込みがあると⾊の横並びが乱れます。

孕み出し図

標準断⾯の勾配を設定し、⾼さを基準として差分を⾊で表⽰。標準断⾯と⽐較して孕んでいる個所を⾒てわかるようにします。

⽯材管理システムは「⽯垣カルテ」と併⽤が可能

⽯材管理システムは、⽯垣の個々の状態を管理できる専⽤のシステムです。GISシステムを取り⼊れているので、⽯垣の位置情報が即座に確認できるうえ、写真‧図⾯資料なども簡単な操作で管理することが可能。修復⼯事や災害復旧などの場合にも効率よくデータを引き出せます。

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